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西瓜とコスモス


【西瓜とコスモス、闇の散歩道】

戒厳令が敷かれた国で荒野の闇を闊歩するふたりのミスティ・ソウル
つかみどころのないたましい
コスモスの温度が時間の輪郭をともしびとする
(ふたりの時間はどんな法の網も潜り抜けるだろう)
おれのいとしきコスモスよ
鈍く研ぎ澄まされた空間のぬくもりは
ふたり合わせたてのひらの小宇宙に輪転しながら
沈黙が
豊饒で
可憐で
慌ただしくて
これは旅なのだとおもう
コスモスおまえとレールの上を歩くとき
世界の外側とは、どこにあるだろう
おれのコスモスはかわいらしい
線路は続くよ空集合まで
無限大を並べつつ



おれは誓う
アリバイづくりの愛のために
罪を浄め続けることを
共犯者
それが墓碑銘
さあコスモス
ベッドはどこにあるだろう
おまえの屹立をやわらかく触れるシーツは

闇の縫製
副旋律
醸成月光
「あなたの影を踏んでみました」とコスモスが言う
「あなたの影を踏むことだけです」とコスモスは言う
(しかし、時の経過は影を薄くするのだ)
陰影よ
愛の冒険者よ
朝陽なき朝よ
さあコスモスいつものあれをしようじゃないか
エッフェル塔越しの空より歓喜に満ちた苦笑で
夜を埋めるのだ



放射線状に唾液が流れる
門扉のごとく閉ざされたくちびる
汚辱の楽園とは
まさにコスモスの顔ではないか
「あなたのためなら出来る限りのことをして差し上げたい」とコスモスは言う
「ですがわたしなどあなたの価値に報うことができるでしょうか」とコスモスは言う
夜明け前の希望で睫毛を伸びやかに揺らしながら言う
うつむく顔の赤らんだ羞恥
さあ夜よ更けろ



放埓な不眠のなかで
コスモス
無限におまえを目覚めさせよう
罪深い上目遣いの
コスモス
無限におまえに呼びかけよう
陳腐な歌詞のように
言葉の着ぐるみはおまえのものだ
これは学習時間
エロスの刻印よりも
不意に刻み付けたい
テロリズムの抱擁
(あらゆる体毛を剃れ)
(羨望のまなざしをくれ)



全裸とは魂の波打ち際
有限を無限に組み替える罠
不協和音が正座するための
悲鳴を縦横無尽に放つための
快楽という大義名分のための
白い潔癖が透明になるための
それは雄雄しき罠
熱量を刻み付けるための
こころの領域が身体に侵されるための
存在をもう一度包み隠すための
愛しさという波動を液状にするための
それはゆゆしき罠



コスモスよ
星のひとつひとつに名前をつけようじゃないか
おれのこころはおまえの熱で脈打っている
憐れむな
誘うな
祈るな
くちびるをあけて
聖霊の侵入を待て
記憶にキスをするな
星がまたひとつ増えていくじゃないか
永遠が序曲となるじゃないか
数え切れないまやかしの愛を
この闇の中
ふたりは舐めとるべきじゃないか



コスモスおまえは巨塔
ひねくれた管弦楽器の雄叫び
音符を引っ張り叩き悶絶させる鉄槌
フィナーレに戸惑う愛の鳥の羽ばたき
いつまでも始まらない小道の風
おまえはディストピアを敷き詰めた地球の小部屋
おまえの舌はすべての母音を抱き締める
そしてシャウト
そしてヴィヴラート
スタッカートする快楽に似る
律動の洞穴を湿り気のある愛が蠕動している
死から復活すべくふたりはせり上がる
躯体は高く持ち上げられる
高みへと
さらに高所へ
さらに地獄へ
闇はまた動き出す
夜と朝の繋ぎ目を凝視するため
ふたりは揺れる
収縮と緊張だけがある
ふたり合わせたてのひらが宇宙のおわりだ



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